「みん100」は、100円均一商品アイデア投稿サイトとして、ユーザーおよびメーカーと密にコミュニケーションを取り続けることで、「消費者が本当に欲しいもの」を世に送り出すことを実現してきました。

ですが100均ショップというと、販売店の奥にあるメーカー企業にはなかなかスポットが当たらないというのが切ない現実です。

そこで「みん100」は決意しました!メーカーさんに直接取材し、商品のプランニングの裏話や制作秘話、またプランナーさんの情熱を記事にすることを…

名付けて、「みん100大陸」!

これは我々みん100だからこそできる挑戦であり、メーカー企業さんに注目していただける良いきっかけとなればと願っています。

 

第一回目は、みん100「あったらいいな」を4つ商品化していただいた大阪府の株式会社スバル商品開発部、青木さんをお迎えしインタビューさせて頂きました。

 

 

「どの棚に置くか。」それは商品開発の重要な始点。

 

― 今日はよろしくお願いします!記念すべき第一回目ということで、青木さんにお願いすることになりました。

 

「いやいやそんな…無名のメーカーだし、私でよかったんでしょうか(笑)」

 

― 100均業界に関しては、今まで販売店に注目はされているものの、実際に商品を作っているメーカー企業さんにフォーカスやスポットが当てられる機会はほとんどなかったと思うのです。だからぜひみん100投稿の「あったらいいね」を商品化していただいている青木さんのお話を記事化したくて!

 

「ありがとうございます。確かにメーカーそのものが注目されることはなかなかないので、こう言う機会に多くの方に知っていただけるのは嬉しく思います」

 

― そうですよね。これはみん100にしかできないことだと思ったので…!早速ですが、スバルさんとみん100とのコラボ商品としては最新の【発送サイズがわかるメジャー】についてお聞きしたいと思います。まず、これの商品化にあたって最初はどんな思いがありましたか?

 

 

「これについては、もともと僕も『こういうメジャーがあったらいいなあ』と思っていました。宅配便を送る時とかに目にしていたので、個人的にもあれ欲しいなあと(笑)・・・

そこで、みん100さんの「あっらいいな」投稿を見て、フリマアプリなどで使いたい人が相当多いということがわかったんです。それでターゲットが明確になりました」

 

― なるほど…ターゲットが明確になったことでどうなりましたか?

 

「まず、100円ショップのどの棚に置くのかというのがはっきりしました。これはメジャーだけれど、文具や裁縫グッズ、ハンドメイド商品の棚に置くのはちょっと違うかなと…購買層はフリマアプリ利用者だということがしっかりと絞れたので、その人たちに使ってほしい。どのコーナーに置けばいいのかがわかりました。置いているコーナーによって必要とするお客さんが目にする頻度が違いますので」

 

― そうだったのですね。この商品を作るにあたって、特にこだわった点はありますか?

 

「これは100円商品という予算の事情も関係しているんですが、商品の印刷をモノクロにしたところです。シンプルな配色のほうがユーザーとしても使いやすいでしょうし、オシャレに見えるという意見も多いので。それからパッケージの説明イラストや注意書きにもかなりこだわりました」

 

― 注意文章!それはどうしてですか?

 

 「機能面の説明や使用上の注意などは、メーカーとして慎重にしなければならないんです。使っていてケガをしてしまうとか、そういう不測の事態はできるだけ避けなければなりません。この商品に関してだと、メジャーが勢いよく戻るので『戻すときはゆっくりもどしてください』と記述しました。使用中の事故や不備がないように、あらかじめ記載する注意書きをデメリット表示とも言います」

 

― そんな細部までこだわりを持って作っていらっしゃるんですね。

 

「そうですね。やはり、100均では日常的に使う物が商品となることが多いので、その中で商品を購入してくれた方々が不便を感じにくいように、あえて細かいところや通常であれば『当たり前』と思うようなところへのこだわりは忘れないようにしています」

 

100円という制約があるからこその挑戦

 

― 青木さんはモノ作りへの熱意がすさまじい、生粋のアイデアマンだと感じています。その情熱のもとになっているものは何でしょうか?

 

「私は小さいころから工作大好き人間で、モノ作りに対してこだわりが強いのかもしれませんね…。いろんな素材の知識やアイデア、製造ノウハウを駆使して100均商品の開発に関わっているのですが、私はこの業界はいろんな挑戦ができる場であると考えています。100円という制約があるからこそ、その中で何ができるか、どこまでのクオリティーを追求できるか、というのが常に頭の中にあり日々挑戦です」

 

― そうなのですね。次にお聞きしたいのは、我々『みん100』との関りについてです。率直にお尋ねしますが、『みん100』についてはどう思ってくださっていますか?

 

「これはホント、感謝の思いが強いですよ!」

 

― 本当ですか…!それはとっても嬉しいです!

 

「メーカーが新商品を店舗に並べてもらうには、100均バイヤーさんに『これはいける』と思っていただけなければなりません。その商品がいかに消費者にとって必要なものであるかというエビデンス(根拠)を提示して認めてもらわなければならないのです。それが無ければ売り場に置いてもらえませんからね…。そこでみん100さんが、100均ユーザーさんからアイデアを募って『ほしい』の数が多いことや、商品化前にアンケートを取ってもらい『消費者の嗜好』を明確にしてくださることで、消費者の声を元にした開発が完成し、バイヤーさんに自信をもってお勧めすることができるんです」

 

― そう言ってもらえるのは、我々にとっては本望です。

 「特に【キッズポリ手袋】に関しては、みん100さんがSNSを通じて細かいアンケートを取って、ユーザーが『本当に求めているサイズ感』を明らかにしてくださったので、それは非常に助かりました。既存の商品では実現できていなかった、小さな子供たちの手にしっかりフィットするポリ手袋がアンケート結果を元に開発できたわけですから・・・」

 

― なるほど…。こうやってメーカーさんの手助けになっていることを改めて認識できることができるのは喜ばしいことです。

 

「いえいえ、こちらこそありがとうございます」

 

― では最後にお聞きしたいのですが、青木さんにとって100均商品とはなんですか?

 

「そうですね・・・常々思うのは『商品は自分の生み出した子供たち』と言うことで、とても大事な存在なんです。ひとつひとつに思い入れがあって、販売されてからもその子がちゃんと売れているか『皆さんに愛されて使ってもらっているのか』それがとても気になるんです。商品はアートではないので自己満足で作ってはダメなんです。買ってもらってなんぼ、使ってもらってなんぼ。大阪弁ですいません(笑)自分の携わった100均商品が少しでも多くの人たちの手に渡り、愛されるというのが目標です」

 

― 子供たち…すごく深いですね。青木さんの熱い思いが伝わってきます。本日はインタビューを受けていただき、本当にありがとうございました!これからもぜひ、末長くよろしくお願いいたします!

 

「こちらこそ、これからも皆さんのアイデアや投稿を楽しみにしております!」

 

●写真で青木さんが持っているのはみん100とスバルさんのコラボ商品

左から「透明折りたたみ傘」「キッズポリ手袋」「発送サイズがわかるメジャー」「ほじくるスパチュラ

というわけで、今回はスバルの青木さんにインタビューをさせていただきました。

ちなみに現在青木さんは、独自の視線でヒノキを使用した100均商品の開発にも力を入れているとのことでしたので、そちらにもぜひ注目していただきたいです。

青木さん、今回は本当にありがとうございました!